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学校長Essay ~クリスマスケーキの思い出~

私が幼少のころ、クリスマスになると父がいつも言う言葉があり、それは「明日死ぬかもしれない。死んだらケーキはもう食べられない。後悔しないよう、今日好きなだけ食べろ。」でした。さすがに母は「おなかを壊すといけないから、明日にとっておいたら。」と言うのでした。
父も母もすでに亡くなりましたが、父からは「後悔しないよう生きろ。みんなと同じことをしても一番にはなれないから、人と違うことをしろ。」と教えられました。また、母は、困難なことがありそうになると「神様に頼んでおいたから大丈夫。」が口癖でした。
これまでの人生を振り返ると、大きな挑戦といえるようなことは記憶にありませんが、迷った時にはあえて困難な方を選ぶといった選択を心掛けてきたつもりです。そして、どんな挑戦にも勇気が必要です。努力することは勿論大切ですが、勇気を出して挑戦することの方が、人生を切り拓く力になったように思います。
そんなに大それたことでなくていいのです。日常の中のちょっとした挑戦-迷ったら、やらない選択肢を選ばずに、やる方を選んでみるとか、あえて面倒な方に挑戦してみるとか、そういったことです。挑戦しなければ、明日も今日と変わらぬ自分がいるだけです。無理して人と同じことをしようと思わず、ちょっとだけ勇気を出してみましょう。そして、周りに人と違うことにチャレンジしている人がいたら、心の中で拍手を送ってあげましょう。
最後になりますが、今年、大切な人を亡くした皆さんへ。思い出すことが一番の供養です。いつも心の中にいるとは思いますが、嬉しいとき、悲しいとき、困難な時、思い出し、そして心の中で語りかけてください。きっと勇気をもらえるはずです。
それでは、冬休みを事故なく過ごし、1月7日に元気に会いましょう。
(令和2年12月23日 全校放送による校長講話の後半部分を掲載)